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    「月桃夜」にみる奄美02

    • 2010.03.10 Wednesday
    • 13:13
    (アユ)--続いてこの小説の読みどころに、奄美の支配階級の描き方があります。

    ブゲンシャなりユカリッチュと呼ばれた島役人層についてです。
    この階級についても、史実をふまえて、描写しています。

    薩摩の奄美支配は巧妙で、奄美の支配層に対して、砂糖納税額にあわせて、功労者には「一代郷士格」を与えます。さらに納税額を増やして藩政に貢献すると「代々郷士格」になれるシステムをつくり、収奪を促進、正当化させたのです。この「郷士格」は、薩摩本土の「郷士」と似て非なるもので、あくまで「格」でしかありません(さらにこの「郷士」も薩摩藩内では「城下士」から厳しく区別された)。この「郷士格」は薩摩藩内における身分ヒエラルキーの中にしっかり位置づけられていて、決して武士階級(士分)ではありません(他の「郷士格」に朝鮮半島から連れてこられた陶工たちがいます。その人たちと一緒に奄美の「郷士格」も一字姓になっています)。その証拠に明治になって薩摩は奄美に居住するすべてのひとを「平民」としたのです。もちろん「郷士格」のひとたちは抗議しますが、彼らが士農工商の中の「士分」となることはなかったのです。

    こうした薩摩の身分階級の中に位置づけられながらも、島役人層は、「一代郷士格」から「代々郷士格」に登りつめることを名誉として、ヤンチュ、ヒザの労働力を当然のごとく使役していきます。こうした支配層の立場もまたこの小説に書かれていて、興味深く読んだのです。そして、こうした島役人層の上昇志向をヤンチュの立場から皮肉をこめて描写していることもこの小説の重層性を構成している要素となります。

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    • 2017.07.21 Friday
    • 13:13
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      コメント
      始めてお便りします。
       今年還暦になり、奄美は瀬戸内町久慈生目に住んでいたご先祖のことを調べています。
       泰山英俊という方ですが、伝承では幕末の頃、江戸に上京し医学を学び、帰郷後村長と医業のふたつの勤めを果たしていたとか。
       この方の父と思われる方(泰池光)が1845年に「代々郷氏格」の奄美の唐通事の職についています。
       別に、「ご先祖自慢」をしたいわけではなく、この方にまつわる伝承で面白いことを一つ紹介したいのです。
       奄美の郷士格は帯刀を許されないというのが研究者たちの通説のようですが、「あにはからんや」この英俊氏は剣術の方も達者だったらしく、薩摩に上国していたときに、何らかの太刀合いで藩士を打ち斃したらしいのです。(奄美の辺境の地では、碌な剣術道場なぞあったはずがないので、所詮、自我流の剣術だったと思います)
       この時、斃された側の身内の一人が「仇討ち」のために、はるばる久慈の郷にまでやってきたというのです。偶々、英俊が不在だったので、件の藩士は、刀を振り回してそこら中探し回ったようです。しかし疲れて屋敷の床の間で休んでいるところを、床の間の「隠し穴」から、英俊の姉が藩士の背中を背後から槍で突き刺したとか。藩士は、不意を疲れて刀を振り回したそうですが、残念ながら力尽きて「返り討ち」に合ったとか。(館には、この時藩士が切りつけた刀の傷跡が残っていたそうです)
       この伝承が事実だとすると、「奄美の郷士格」の人々も「なかなかやるな!」という気がします。確かに「ヤンチュやヒザ」の人たちを使役して支配体制を築いていたのでしょうが、より上級の薩摩藩士たちに負けない武術・学問にも励んでいたことが偲ばれるのです。
       島の人々がより豊かな生活とステイタスを指向して努力する姿勢は、何時の時代でも変わらなかったのではないかと言いたいのですが、いかがでしょう。
      • Az猫ロメ
      • 2010/06/04 11:04 AM
      Az猫ロメさま

      レス、遅れてすみません。
      興味深い話を聞かせていただきました。
      ありがとうございます。
      私の知り合いの奄美郷土史研究者に、や地元新聞記者にいだいた情報を伝えたいと思います。
      • アユ
      • 2010/06/30 1:18 PM
      管理者の承認待ちコメントです。
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      • 2010/06/30 6:48 PM
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