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    10月の特選奄美俳句5選No.13/2016.10

    • 2016.11.06 Sunday
    • 09:34

     

    2015年10月から始めている「今月の奄美俳句特選5句」の13回目です。(二年目に突入しました)
    奄美で発行されている日刊紙・南海日日新聞の文芸欄「なんかい文芸」に掲載された10月26日から10月28日までの四つの俳句グループから出された作品から五句をえらんでいます。今回はまだ気温は高いものの、秋の気配がする奄美の自然が詠われています。(ルビは新聞掲載時の表記に従っています)

     

    01.アダン熟るこの地に生きる覚悟して         武田吉子

     

    02.差羽舞ふ気骨稜稜目的地           徳久綾子

     

    03.あと寝具足す母の床にも秋の風            政久美子

     

    04.台風の眼に支柱かつぎし父を見る           中村緑子

     

    05.去りがたし月夜の杜(もり)の黒うさぎ      林美津代

     

    --------------------------------------------------------------------

    〈評〉

    01/俳句という文芸は時として、境遇を歌いこむ「心の器」を示す機能を果たすことがある。とりわけ島嶼である奄美群島の住民は、この島/シマ(集落)に生き続けていくことの覚悟を、ふとした時に強く感受する機会が訪れるのだろう。そのキッカケは個人によってさまざまで、この作者にとってのそれはなんであったかは伺い知ることは出来ないが、「アダン熟る」との表現から推し量ると、シマの生活が長くなったことをしみじみとかみしめつつ、この句が出来上がったのだと思われる。この句以外にも〈この島に絆深むるアダンの実 中村恵美子〉も。

     

     

    02/秋のこの時期、小型の鷹である差羽(サシバ)が奄美群島を経由して南へ渡っていく(奄美にとどまる個体もいる)。集団で飛び立つ時、「鷹柱」をつくる。上昇気流に乗って螺旋状に集団で上昇するさまを言う。上空にさしかかったところで一気に次の目的地に向かって飛んでいく。その姿が「気骨稜稜」なのだという。そしてその表現を発してい作者もまた雄々しい心意気の持ち主なのだろう。「気骨稜稜」なひとなのだ。この差羽(サシバ)・鷹の渡りについて奄美の俳人たちは「季語」としてよく使い込んでいるさまが見えてくる。〈ほつれ髪の野良着の頭上鷹渡る 宝田辰巳〉〈鷹渡る頭をあげよと亡夫の声 森美佐子〉

     

    03/もはや夏の薄いかけ布団だけでは心もたなくなってきた。秋は確実に押し寄せてくる。日常のなかの、ちょっとした変化を俳人たちは見逃さない。この句、母を観察する対象としてではなく、身内をみまもる優しさがあるからこそ、「母の床」に着目したのであろう。

     

     

    04/台風の目というのを少年時代に見たような気がするが、あれはきっと幻視だったのだろうと思っている。この作品の中の父は台風の目という風雨のいっとき収まった時を見計らって、支柱をかついで家の補強をしているのだろう。なにしろ奄美の台風ときたら堅牢と思われるコンクリート造りの建物も軋ませるのだから、その猛威は凄まじい。必死に家を護ろうとする父へのオマージュとしてこの句を読んだ。

     

    05/南海日日新聞を読んでいると、奄美の黒ウサギが車に轢かれて死んでいる記事が写真つきで掲載されている。ヤマト(本土)の新聞では屍体が掲載される写真つき記事はめったにお目にかかれない。ここにはシマンチュウの死生観が反映されていると想う。つまり生と死はいつも(可視的にも)同居しているのだ。さて、島では人と黒ウサギの生活圏が異なるので、シマンチュウでもめったに黒ウサギと遭遇することはないだろう。そうした事実はともかくとして、自分たちと同じ島に愛らしい黒ウサギが住んでいることへのあらためての発見と自覚。月夜が見事な晩に、ひょっとしたらこの杜のどこかで黒ウサギもまた同じように月を愛でているかもしれないという美しい叙情の世界。ロマンをかきたててくれる。

     

     

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